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2018年11月の日記

更新日:2018年11月28日

11月28日


今日は芸大でテンペラ授業の日

先生より影色に少し暗い色を入れた方が良いとアドバイスを頂き ローアンバーとイタリアンヲームオーカーをホワイトと混ぜて描いた

明部を描いているイエローオーカーとホワイトの箇所と比べると

彩度が落ちて良い感じの重みが出てきた


テンペラの一番大切な事は、グラデーションだと木島先生が話してくれた

ミケランジェロやダビンチはテンペラ絵具で見事なグラデーションを作ってるという

濡れている時と乾いている時とで色が異なり、

薄く丁寧に何層も重ねなければいけないコントロールするのが大変な絵具で

あの名画たちは出来ているのだ


暗い側の顔を描くのが難しく、顔の完成は来週に持ち越し

金地の羽部分に彩色を加える事に

ニンニクを擦り下ろして、ニンニクの汁を少し水で薄めてから彩色を加えていく

ニンニクの汁は接着力がありなかなか強固になるらしい

昔の人は良く発見したなと関心してしまう


描いていると周りがニンニク臭く

一緒に描いていた同期の銀ちゃんと

手が臭いパスタが食べたくなるなどと話しながら楽しく制作した

昔の人はどんなことを思いながら、この匂いの中制作していたのか気になりつつ


















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11月19日


和辻哲郎の『日本精神史研究』を読み始めた

その前に『古寺巡礼』を読み、本を読むのが得意出ない私が

久しぶりにきちんと読み終えられた本だった

日本美術に対しての本なのだが

感覚的な部分をとても丁寧に文章に置き換えてある


美しい文章に出会うと、体が震えて鳥肌がたつ

いろんな想いでいっぱいだった私の頭に風穴を開け

風通しを良くしてくれる


文章や言葉に対して苦手意識のある私だが

この本もゆっくり読み進めてみようと思いつつ


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11月 9日


雨がふる日は映り込む景色に目がいく

池、水たまり、水滴がついたガラス


つい先日、川崎市民アカデミーの水彩画の講師に行く機会があり

静物を組むのにどんなテーマにするか考え、映り込みをテーマにする事にした。

写り込みの世界を印象的に使った作品を調べると、

絵画では、モチーフの外側の世界が入り込み、

部屋の様子や作家の様子が小さく描かれていたりする。

外の風景を描いたものでは、水面に移る地上の風景を描く事で、

空に伸びる縦の広がりを画面の下へも伸ばしていく。

写るという事、鏡の存在についての作家の言葉も興味深かった。


受講生の方からは写り込む素材を入れたモチーフは難しいとの声が聞こえてきたが

写っているモチーフを描く為に、物体をいつも以上に観察する必要があり

じっくり見て、描く時間を楽しんでもらいたいなと思う。




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